「何も起こらなかった一日、価値はどこにあるか」
インフラ、セキュリティ、運用という仕事は、うまくいっているときほど誰の目にも触れません。システムが滞りなく動き、情報が漏れず、障害が起きない。その「何も起きなかった一日」は、多くの人にとって当たり前の風景です。
けれどそれは自然に生まれるものではなく、見えないところで積み重ねられた無数の判断と備えの結果です。派手な成果として語られにくいこの領域を、私は支え続けてきました。
いま、生成AIの普及とともに、各社がAI基盤の導入を競っています。AIに業務の裁量を委ねることは大きな可能性を開く一方で、情報と権限を新しい経路へ開くことでもあります。守りを固めないまま裁量だけを広げれば、生産性を高めるはずのAIが、かえって組織のリスクを増幅させかねません。
何を実現したいのか。どの情報を、誰が、どこまで扱うのか。AIガバナンスとインフラの設計は、AI活用の制約ではなく前提です。
だからこそ、ツールを導入する前の一段上のレイヤから、お客様と一緒に統制と基盤を描き直すことに価値があると考えています。社内制度の整備からAIの導入、その後の効果測定までを地続きの営みとして捉え、事故が起きない日々を静かに支え続ける。その積み重ねの上にこそ、安心して挑戦できる土台が生まれる。私はそう信じています。

